サブタイトルは「感染者ワライの幸せの秘密」とあって(ワライは人名)、タイにおけるHIV感染の状況についてのルポルタージュなのだけど、いまいちHIVには焦点があっていないし、まして「幸せの秘密」を解きあかしているわけでもない。むしろ、タイの人々と著者との交流がずっと書きつらねられていて、無理に分けるならタイ文化論になるだろうか。
おそらくはHIVについて調べようと、タイの人々と関わりあううちに、HIVという限定されたテーマからは逸脱してしまったんだろう。論考としてはあるいは失敗かもしれないが、そうした交流の道ゆきには共感。